結婚式の会場を彩る、たくさんの『お花』
会場のテーブルはもちろん、エントランスから受付まで、結婚式場では至る所に花が飾られています。
そして、新婦の手の中には花嫁の象徴ともいうべき『ブーケ』
これももちろん『お花』
これらの値段、いくらぐらいかかるか想像つきますか?
じつは結婚式で、最初の見積りより予算が追加してしまいやすい項目の一つが『お花』なんです。
今回は、結婚式にまつわる『お花事情』について紹介していきましょう。
結婚式に必要な装花

結婚式で利用されるお花のことは、会場装花、もしくは単に『装花』と呼んだりします。
結婚式場によって違いはありますが、初期に見積りされるプランの予算に入っているものの多くは下記の3つ。
- メインテーブル(高砂)装花 2~5万円
- ゲストテーブル装花 5千~1万円
- ブーケ&ブートニア 1~3万円
一番安くすれば3万5千円?
いえいえ、まずゲストテーブル装花は、金額×テーブル数が必要なので、招待客が多いほどかさんでいきます。
ブーケも1万円程度の金額のものは、花の数も少なくボリュームも小さいので、多くの花嫁がアップグレードしたブーケを注文されます。
メインテーブルも、お花の種類をこだわったり、ボリュームを出そうとすればそれだけ追加料金がかかってしまいます。
ちなみに『ブートニア』とは新郎の胸につけるコサージュのこと。
花嫁のブーケと対で作るので、セット料金になっている場合が多く、単体での料金は3~5千円程度。
花嫁のブーケに比べるとおまけのような感じですね。

これだけじゃない。結婚式に使われる装花

基本料金に入っているのは、あくまで最低限の花だけ。
これ以外にも、結婚式では各所に花が使用されます。
教会・式場の装花
- チャペル祭壇の装花
- ベンチフラワー
- リングピロー
- フラワーシャワー
祭壇の装花は、式場の利用料金に含まれていることが多いですが、一組だけの貸し切りや、花にこだわって変更を依頼した場合は追加料金を請求される場合もあります。
リングピローを飾ったり、会場を出る時に『フラワーシャワー』のイベントを行うなら、このための花びら代金(200~500円×人数分)も必要となります。

受付装花
受付テーブルを飾る装花や、ウェルカムボードなどのアイテムを飾る装花が必要なら、こちらも追加料金が発生します。
このほか、『エントランス装花』や『ゲスト待合室装花』など、会場によっては必要となる場合もあります。
披露宴装花
最初に書いたように、この部分で必要な料金はある程度、最初の見積りに含まれますが、多くのカップルがアップグレードをお願いしています。
いくつかの会場で相見積もりをする場合でも、基本料金でどの程度の装花が用意できるのかは、写真などでよく確認しておくことが重要です。
見積もりの金額だけが安くて、実際にはとてもそのままでは式が行えな少量の花しか用意してもらえない場合もあります。
メインテーブル・ゲストテーブル装花のほかに、
- ウェディングケーキ装花 1~3万円
- メインキャンドル装花 1~3万円
- ウェディングケーキカットナイフ用装花 1~5千円
- マイク装花 1~5千円
- グラス装花 1~3千円
などなど、利用場所が増えれば増えるほど、必要になる花の量と予算は増えていきます。
ブーケ
花嫁が手に持つブーケは、その形によっても値段が変わってきます。
『クラッチブーケ』約1~2万円

もっとも安価なのが『クラッチブーケ』
切花を束ねたようなデザイン。いわゆる花束のようなブーケ。
手軽に作成でき、本数が少なくても成り立つので、見積もり時点での基本料金のブーケはこの形の設定であることが多い。
ナチュラルな雰囲気で、ラウンドブーケに次いで2番目に利用の多いスタイルです。
『ラウンドブーケ・オーバルブーケ』約2~3万円

丸形(ラウンド)・楕円型(オーバル)の形に合わせて組み上げられたブーケ。
たくさんの花を密集させて作るので、それなりに花数が必要。
加工の手間もかかるので、予算もそれに応じて高くなります。
手元を覆うように花が集まった姿がかわいらしく、ウェディングブーケの中では「ラウンドブーケ」が人気ナンバーワン。
選択される新婦が最も多い、人気のスタイルです。
『キャスケード型・ボール型』3~5万円

流れるようなデザインのキャスケード、丸い玉状に仕上げられ、もち手の付いたボール型ブーケ。
どちらも、作成にはかなりの技術力と大量の花を使用するので、他のブーケに比べても値段は高い傾向にあります。
中でもキャスケードタイプは流れるようなラインが神聖な雰囲気と気品を兼ね備えるため人気があり、全体の20%ほどの花嫁がこのスタイルを選んでいます。
お色直し用ブーケ

お色直しの衣装に合わせて、ブーケをもう一つ用意する場合もあります。
この場合はもちろん、ブーケにかかる料金も2倍になります。
予算軽減のためなら、ウェディングドレス・カラードレスどちらにも似合うデザインで作ることで、一つのブーケを使いまわすこともできます。
ブーケトス用ブーケ

ブーケトスで投げるための専用ブーケ。
通常の手に持つブーケより小型のものを作ります。
予算的には3千~5千程度が多いです。
ブライダルヘア飾り用装花

ヘア飾りに生花を利用することもあります。
造花に比べてナチュラルな雰囲気を作ることができますが、髪の中に収める小さなアレンジを作るのは技術も必要。
使う量や花の種類によっても金額は変わってきます。
季節違いの花材を用意しようとすれば、かなりの追加料金なるので注意しましょう。
希望の花があるのなら、結婚式の時期にその花が手に入るのかはあらかじめ確認しておくことが重要です。
両親へ記念の花束

花嫁の手紙の後、それぞれの両親に花束を贈るならその料金も必要。
多くは5000円程度の花束をそれぞれの両親のために、2つ用意することになります。
筆者の結婚式では、両親へは花束ではなく『プリザーブドフラワー』のアレンジをプレゼントしました。
手入れ不要で長く楽しんでもらえるので価格は多少高くなりますが、こちらもおすすめです。
装花の平均価格は約18万円
会場の装花にかけた金額は平均約18万円。(ゼクシィ結婚トレンド調査 2021より)
これにブーケの平均3.8万円を合わせると約20万円以上にもなる。
初期の見積りが安くても、20万円くらいまでは予定しておく方がいいでしょう。
多くの場合、会場装花の打ち合わせの時点で「なんだか寂しいから」と、何らかは装花のアップグレードを依頼するカップルがほとんどです。
パンフレットや、会場見学で見ることのできる装花のほとんどは、中間グレード以上を展示・掲載しています。
そのイメージでいると比較したときにどうしても寂しく見えてしまうので、あらかじめ割り引いたイメージで見学することがおすすめです。
高くても、装花は会場提携花店にお願いした方がいい理由
はっきり言って、結婚式場で提示される式場提携花店での装花料金は高い。
外部の花屋に依頼すると、同じグレードで半額ぐらいで作れる場合もあります。
しかし、会場装花は式場の提携花店にお願いすることをお勧めします。
会場提携花店の値段が高い理由

結婚式場提携のフラワーコーディネーターは、結婚式場から仕事を回してもらうための『契約料』を支払っています。
そのため、装花を納める際も花の料金の一部に『契約料金』が上乗せされてしまう。
これが式場契約のお花屋さんの装花の値段が高い理由です。
それによって、どうしても外部のお花屋さんに依頼をした場合よりも、値段が高くなってしまうのは仕方のないことなのです。
それでも結婚式場提携の花屋を使った方がいい理由
先に述べたように、普通のお花屋さんの方が安かったとしても、会場装花は結婚式場の契約花店にお願いした方がメリットが多くあります。
外部のお花屋さんに依頼した方が安く済むとしても、結婚式場がおすすめする契約店を利用した方がいい理由は大きく以下の3つ。
結婚式場との連携がいい
この結婚式場でいくつもの式の装花を担当している花屋ならば、会場での雰囲気や見せ方を熟知しています。
最も効果的に花を配置できるのは、現場をよく知っているからこそ。
それに、主役である新郎新婦の情報もプランナーから詳しく教えてもらえます。
好みやパーソナルカラー、当日の衣装のデザインなど。
新郎新婦が望むイメージに合った会場を作ることができます。
実際に会場を知らなくては、雰囲気に合わせた装花を作り上げるのはむずかしいのです。
外部の花屋よりデザインの腕が確か
契約の花屋さんならば、この結婚式場に認められるだけのデザイン装花を作ることができることが確定しています。
知り合いに凄腕のウェディング装花のプロがいるのなら別ですが、すべての花屋がウエディングの花を作れるわけではありません。
飛び込みで街のお花屋さんにウエディングの花をお願いするというのは、あまり現実的ではありません。
依頼される花屋さんとしても、提携業者を押しのけて仕事をするというのは、あまり気分の良いものではありません……
もともと外部の花屋の利用が許可されていない場合も・・・・
花は生ものです。
上に書いたように提携先の花屋であれば、結婚式場としても安心してお願いできる信頼があります。
しかし、外部のお花屋さんでは、どの程度の技術なのか、まともなものができるのか、情報がありません。
結婚式は一発勝負。
いくら準備をしても本番がうまくいかなくては意味がない。
そのために結婚式場として不確定要素を取り払うために、外部のお花屋さんの利用を禁止している会場もあります。
これは会場によって異なるので、打ち合わせの際にプランナーさんとよく相談してください。
ブーケに関しても、
- 持ち込み料金を払うことで持ち込み可能。
- 持込料金を払えば、造花のブーケだったら持込可能。
- ブーケの持ち込みは禁止
など、会場によって規定が異なります。
友達の作ってくれたブーケや、自作ブーケを使用したいと考えているなら、会場選びの時点からよく検討しておきましょう。
会場装花は96%、ブーケも80%は結婚式場の提携花店に依頼している。
2021年度のゼクシイ結婚トレンド調査によれば、会場装花の依頼先は96%以上が提携の花屋さんでした。
それに対し、ブーケの提携花屋さんへの依頼率は約80%。
会場装花と比べれば、ブーケは持ち込みのハードルが低い。
ブーケを外部依頼にした理由としては、「価格が手ごろだから」「センスがいいから」などが理由としてあげられています。
ちなみに提携花屋さん以外のブーケ利用は、約10%が外部の花屋さん、5%が友人からのプレゼント、4%が手作りでした。
まとめ

今回は予算の中でも、値段の上がりやすい会場装花とブーケについて紹介しました。
装花の平均は約18万円。
ブーケの平均は3.8万円。
決して安くはないが、会場を最も知っているのは提携先のお花屋さんです。
基本的には紹介されたお花屋さんを利用するようにしましょう。
最初の見積りで計算される花の金額では、花のボリュームが少なくショボく見えてしまうことも多い。
初期の花の値段が安く設定されている場合は注意が必要です。
どの程度の飾りになるのか、写真などであらかじめ確認させてもらうことが大切です。
花はゲストからも非常に良く目立つため、値段をケチったのが非常にわかりやすい商品です。
節約しすぎて飾りが貧弱にならないように注意しましょうね。