ふたりの間で結婚する意志が固まったら、まず話を進めるうえで避けて通れないのが『おたがいの両親へのあいさつ』です。
いくら年齢を重ねていても、親にとってはかわいい『子供』
自立しているからと言って、自分たちだけで話を進めてしまうのはおすすめしません。
『結婚』は自分たちだけではなく、家族どうしのつながりも重要になります。
きちんとした「あいさつ」で信頼を勝ち取り、安心させることで、今後の結婚に向けての準備もスムーズに進むようになります。
いくらふたりの気持ちが通じ合っていたとしても、親の反対で破談になってしまうという事例は少なくありません。
しっかりとしたあいさつで、ご両親に認めてもらえるように頑張りましょう。
Contents
これから両家の両親に挨拶を行いたい。どのようにすればいい?

まずは、あいさつに行く約束を取り付けましょう。
お互いが自分の両親に連絡を取って、パートナーを紹介することを伝えます。
単に「あわせたい人がいる」よりも「結婚を考えている人がいるので会ってほしい」ときちんと伝える方がいい。
きちんと伝えていないと、親はただの顔みせだけのつもりいるところに「結婚」の話が出て驚かせてしまうという事態にもなりかねません。
両親への結婚の報告

両親へのあいさつは、相手の都合も考え1~2週間前には連絡して約束を取り付けておきましょう。
アラフォー世代になると、お付き合いしている相手がいるということも知らせていないこともあると思います。
そこで、いきなり「結婚のあいさつ」では話が飛びすぎるので、1ヶ月以上前には
- 「結婚を前提にお付き合いしている人がいる」
- 「近々挨拶に来る予定である」
このくらいのことは伝えておきましょう。
親への報告、新郎新婦どっちが先?
どちらが先でも基本的に問題はないですが、一般的には嫁(婿)に行く家を先に訪問するほうがおすすめです。
これは日本的な「嫁をもらい受ける」という考えからの流れのため、嫁の実家にお伺いを立てるのが一般的という考えに基づいています。
二人の意思で結婚を決める現代の考え方とは少し違うかもしれませんが、親世代の中には昔ながらの常識を重視する家庭も多いので、まずは嫁(婿)の家で許可をいただく順番で予定を立てる方が問題は少ないでしょう。
アポイントを取る時期と時間は?

訪問するさいの時間帯は、食事時を避けて午前中の10時からか、午後の2~3時からで約束を取り付けましょう。
食事が入ると滞在時間が伸びるのであまりおすすめはしません。
季節としても、お盆や正月などの行事がある時期は避けた方が迷惑にならないのでいいでしょう。
最初の訪問は2時間までで切り上げよう
結婚のあいさつに要する時間は、1~2時間程度がいいと言われています。
いくつになっても、結婚相手の親と話すのは緊張します。ましてや初対面ならなおさら。
いくら用意周到に準備をしていったとしても、緊張から時間がたてばたつほどミスを犯す可能性も高まります。
まずは、好印象を与えて、ミスなく退散することが最初は肝心です。
最初のあいさつで食事は避けよう

食事は、滞在時間が伸びて話題が続かない可能性だけではなく、食事マナーの問題もあります。
箸の使い方、テーブルマナーなど、気にしなくてはいけない項目が大量に増えて会話どころではなくなる可能性が高い。
20代ならまだしも、30.40代にもなってまともにテーブルマナーも知らないのかと幻滅されることは避けたいところ。
食事のマナーは、一朝一夕で身につくものではないので、印象を悪くする可能性のあるものは、最初は避けた方が無難です。
また食事になると、お酒が入る可能性も高く、理性的な話し合いが難しくなる危険性もあります。
結婚のあいさつは準備が重要。

約束を取り付けたら、結婚報告の準備に取り掛かりましょう。
最も重要なのは、二人の意見のすり合わせです。
あいさつの席で「家庭に入ってもらいたい・いや私は働きたい」や「結婚式は挙げる・挙げない」など、二人の意見がそろっていないのでは、ご両親も今後の生活が不安になってしまいます。
まずは、二人がどんな夫婦になりたいか、結婚式はどうするか、その後の生活など、基本情報を話し合って決めておきましょう。
また、お互いの両親のことについても、最低限の情報は事前に知っておくことが重要です。
お互いの親についても以下の項目くらいはパートナーに聞いて頭にいておくようにしましょう。
二人で決めておきたい7つのこと
- 婚姻の時期
- 結婚式をあげるかどうかとその時期
- 結納をおこなうかどうか
- 結婚後の住居
- 結婚後の女性の仕事
- こどもの予定、何人くらい欲しいか
- お金の話、生活費の分担をどうするか、借金の有無など
より深く知っておきたい二人のこと
付き合っていくうえで、ある程度は理解しているつもりであっても、改めて以下の項目も話し合っておくことで、お互いがより深く理解できるようになります。
- 出身地・生い立ち
- 兄弟関係・友人関係
- 趣味・興味のあること
- お互いのどこが好きなのか
- 理想の家族像
事前に知っておきたいお互いの親のこと
訪問の際、話を広げていくうえで重要な項目は事前に頭に入れておきましょう。
とくにNGワードは必ず把握して、話の流れを考えた会話を行うことが重要です。
- 家族構成
- 親の職業
- 親の趣味・興味のあること
- 親の性格(おおらか・厳しい・人見知りなど)
- 親この結婚についてどう思っているか(賛成・反対など)
- 避けた方がいい話題(政治・宗教・学歴など)
訪問する服装・身だしなみ

訪問するときの服装は非常に大切な『第一印象』を左右します。
人間は最初の数秒で「この人はこんな人間だろう」という予想が形成されます。これが『第一印象』
形成された『第一印象』によっては、同じ行動であっても、相手に与える意味合いが変わってくることがあります。
一度形成された第一印象を払拭するのは難しく、時間もかかります。
大人として、しっかりとした清潔感のある服装で、まずは見た目の第一印象をよくするように努めましょう。
男性の服装

男性は基本スーツ。
ブランドものである必要はないですが、体のサイズに合った仕立てのいいものを身につけるようにします。
とくに気を付けたいのが『靴』と『靴下』
革靴はもちろん、きちんと磨いておきましょう。
室内に上がることになるので靴下にも気を付けておきたいところ、新しい黒のソックスを用意しておけば問題ないです。
普段持ち歩かない人も、ハンカチ・ティッシュも持つようにします。
清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
女性の服装
パンツスタイルよりも、ワンピースやスカートのほうがやわらかい印象になるのでおススメです。
30代以上、大人の女性の場合、どうしても落ち着きのある暗い色を選びがちですが、あいさつの席ではパステルカラーなどを取り入れ清楚で明るい雰囲気のコーディネートを心がけるようにしましょう。
家に上がることになるので、靴は履きやすいパンプスなどがおすすめです。
レンタル衣装を利用しよう
あいさつに行くための洋服はレンタル衣装を利用するのが便利。
業界トップクラスの実績を持つ「おしゃれコンシャス」なら、お手頃な価格で利用することが可能。
表示も年代別におすすめのフォーマルドレスを表示してくれるので選ぶのも簡単。シューズやバック、小物などもあわせてレンタルできるので便利です。
姿勢・身だしなみ

服装だけであれば直前に準備することもできますが、身だしなみや動作はすぐに身につくものではありません。
あいさつに行くことが決まったら、日ごろから注意して行動するようにしましょう。
とくに気を付けておきたいポイントは以下のとおりです。
- 表情:にこやかな明るい表情を心がけましょう。鏡で笑顔の練習をするのが効果的です。
- 視線:無駄にキョロキョロしない。話す時は目線を合わせ、落ち着きをもって会話することを心がけましょう。
- 姿勢:猫背なだけで暗くて頼りない印象を与えます。姿勢をよくして明るく信頼感のある印象を目指しましょう。
- 話し方・言葉遣い:大人になってまともに敬語も使えないというのでは信頼されません。しっかりした挨拶・基本的な敬語は使えるようにしておきましょう。
- マナー:上座下座、食事するのであれば箸の使い方など、大人としての常識は復習しておきましょう。
これから新しく家族となる相手です。厳しいチェックが行われることは覚悟して準備しましょう。
緊張で眠れないということがあるかもしれませんが、前日はしっかり睡眠をとって体調を整えておきましょう。
寝不足は思考力の低下だけではなく、寝不足で荒れた肌は印象を悪くします。
手土産

挨拶に伺う時の手土産は、3000~5000円程度の菓子折りを持参することが一般的です。年齢的にあまり安っぽいものはやめましょう。
できれば、行きがけに近くで購入することは避け、事前にデパートなどで購入していくのがおすすめ。
事前にパートナーに両親の好みや、苦手で食べられないものがないかは確認して商品を選びましょう。
自分の地元の銘菓などなら、由来などを調べておくことで話題の一つとしても利用できます。
手土産にお酒はOK?

両親がお酒好きというなら、地酒を持参することも悪くはありません。
しかし「せっかくだから一緒に飲もう」と言われたとしても、挨拶の席での飲酒は丁重にお断りしましょう。
お酒が入ることで理性的な話し合いができなくなって話がこじれる場合もあります。
また、お酒の場合、病気で医者に停められていることがないかなど、十分配慮して持参しましょう。
訪問当日

あいさつの当日は、約束の時間ちょうど、もしくは数分遅れて到着するように調整します。
時間に遅れてはいけないと、5分前など約束の時間前に到着するのは逆にマナー違反。
時間に合わせて迎え入れる準備をしているので、それよりも早く着くと準備が間に合わない場合があります。
早く着いたとしても、近くで時間を調整して訪問するように心がけましょう。
最終チェック、第一印象が重要
チャイムを押す前に、身だしなみ最終チェックを行いましょう。
玄関を開けて最初の一瞬がとても大切です。
人は初対面の人間に対して、視覚情報55%・聴覚情報38%・言語情報7%をもって、その人がどんな人かを想像します。
最初に「この人は信頼に足る」と判断されれば、話も進めやすくなります。逆に「なんか不安だな」と感じさせてしまった場合、その印象をあとからの会話で改善していくのは非常に大変な作業になっていきます。
すでに顔見知りで面識がある相手であっても、かしこまって「今日は特別な話をしにきた」という雰囲気をもって挑むようにしましょう。
入室と座席位置

日本のしきたりでは、入り口から遠いほど上座(目上の人が座る位置)とされます。
部屋に通されたら、基本的には下座を選ぶようにしますが、上座の席を進められた時は無理に断らず指示に従いましょう。
席を指示されても、イスや座布団を使うのは相手が座るのを待ってすすめられてから。
あらためてあいさつをする場合は、イスから立ち(和室では座布団から降りて)行うのがマナーとされます。
全員そろって着座したら、改めて自己紹介を行います。
この時に手土産も一緒に渡すといいでしょう。
話の流れ

あいさつの後は歓談になることが多い。
結婚の報告に来たと伝えてあったとしても、いきなり本題に入ることは避けてください。
話題は、事前準備で両親のことについて聞いておいた情報をもとに話を進めていきます。
特にNGワードには注意。一言で現場が凍り付いてしまう危険性があります。
相手が話好きであれば、話を合わせていくだけで構いませんが、沈黙が続くことは避けたいところ。
定番の話題としては、子どもの頃の話などがベターです。
男性は将来のことについて、仕事やこれからのビジョンについて語ることは有効ですが、女性の場合仕事についての話題はあまり深く掘らない方がいい場合もあります。
今でこそ男女同権、共働きも当たり前の世の中ですが、大人婚の親世代ではまだ「結婚したら嫁はいえに入るものだ」という考えを持っている場合もあります。
結婚後の働き方はあとで二人で話し合えばいいことなので、あいさつの席では簡単な話にとどめておきましょう。
質問によっては、二人の間で意見の相違が起こる場合もあるかもしれません。できるだけそういったことのないように事前に話し合っておくことが大切ですが、万が一想定外の質問で意見が分かれても、この場ではどちらかの意見に話を合わせておいて、あとで再度確認しあうようにしましょう。
いくら準備をしていても、予定どうりに話が進むとは限りません。その場合はパートナーがきちんとフォローして対応してあげましょう。
結婚申し込みのタイミング
話がひと段落したタイミングを見計らって、男性の方から行います。
今までとは違う話題に入るという改まった真剣な表情で切り出すようにしましょう。
言葉としては
「○○さんと結婚したいと考えています」「結婚をお許しください」などがいいでしょう。
ドラマで見るような「娘さんを僕にください」は、相手をもののように扱っている雰囲気が出るのでNGです。
許可がもらえなかったら
きちんと準備をしてお願いをしても、結婚の許可がもらえないという場合ももちろんあります。
この時も逆上するのではなく、自分に何が不足しているのかをしっかりと聞くことが重要です。
ここで説明しても解決できないような事であれば「日を改めてあいさつに伺います」と、無理を通さずにいったんは引き下がりましょう。
親としては子供の将来に何かしらの不安があるために許可することができないはずです。
問題点を明確にして、安心させられる説明を準備してもう一度時間を作ってもらいましょう。
30代後半で、社会基盤がしっかりしていれば、両親の許可がなくても結婚することは不可能ではありません。
しかし、祝福されない結婚というもが本当に幸せでしょうか?
両親の意向を無視した結婚は最終手段として、納得してもらえるまで誠意を持った話し合いを続けるようにしましょう。
今後の予定について
結婚の許しをもらった後は、今後の予定について簡単に話をしておきましょう。
- 結納はする・しない?
- 結納の品・結納金はどうする?
- 結納の日程
- 結婚式をする・しない?
- 結婚式の形式は?和装・洋装
- 結婚式を挙げる日程は
- 結婚式を挙げる場所は?
など。
帰宅したらお礼の連絡
家に帰宅したら、本日のお礼と無事に帰宅したことを電話で伝えておきましょう。
パートナーが実家住みであれば、パートナーに伝言してもらってもいいでしょう。
訪問の後は、お礼の手紙を送るとさらに好印象です。
コロナウィルス禍でのあいさつ
この時期はウィルス感染の心配もあります。
感染拡大時の移動は十分に注意をはらって行いましょう。
遠方地であったり、直接の顔合わせが困難な場合、現代ではオンラインでのあいさつを行うこともあります。
しかし、相手の家にパソコン設備がなかったり、機器に詳しくない場合も多いので、きちんと了解をとって行うようにしましょう。
しかし、顔をあわせて直接話をすることができるなら、それに越したことはありません。
まとめ
最後に需要ポイントをまとめておきます。
両親へのあいさつは事前準備が重要。
- 相手の両親の情報をきちんと把握しておく
- 第一印象をよくする、服装・身だしなみの確認
- あいさつ・マナー・最低限の礼儀作法
- 食事時間にかかる訪問は避ける
- お酒は飲まない
- ふたりの間で意見はそろえておく。
結婚のあいさつは7割以上が、事前準備で決まるともいわれています。
第一印象を悪くした場合、信用を回復させるのは大変です。
できる限りの準備をすまして、あいさつを成功させましょう。