眼下に青い海を眺める、広大な草原に建つステンドグラスのきらめく豪華なチャペル。
真っ白なリムジンで到着する二人を、フラワーシャワーで迎える友人や家族、水平線に沈むサンセットをバックに楽しむパーティ。
日本国内ではなかなか実現できない、絵本の中のような夢の結婚式がかなえられる。
それが『海外リゾートウェディング』略して『海外リゾ婚』です。
どうせ結婚式をあげるなら、希望を全部詰め込んだ最高のシチュエーションで願いを叶えたい!
海外ウェディングなら、新婚旅行もできて一石二鳥。
カタログやネットの案内を見ると、「あれ?結構安いかも」なんて思ったりしませんか?
今回は、海外リゾートウェディングのホントのトコロを、旅行会社やウェディングプランナーに忖度なしで解説していこうと思います。
Contents
海外リゾ婚って、ぶっちゃけ安いの?

ゼクシイなどで紹介されるプランには、むしろ国内で結婚式するよりも安いんじゃないか?と思うようなものがあります。
すてきなチャペルで安く結婚式が挙げられるなら、海外挙式もいいかも・・・なんて思ったら、あとあとびっくりすることになりますよ!
海外リゾ婚は、はっきり言って予算はかかります。
まあ、国内での結婚式の見積りも、『最初の見積り』と『最終見積り』では100万円アップする、なんていわれていますが、海外リゾ婚に予算がかかるのは見積りの問題だけではなく、別の要因もあるんです。
ひとつずつ解説していきます。
関連リンク:ウェディングフェアって何ができる?効率的な見学の方
初期見積り「基本プラン」は最低限

パンフレットで紹介されているプランは、最低限の内容しかセットされていないことに注意しましょう。
基本料金のドレスでは選べるものはかなり限定されます。→ドレス追加料金
せっかくだからビーチでの写真撮影も行いたい→フォトオプション追加料金
もっと素敵なブーケにしたい→ブーケオプション追加料金・・・
などなど希望を叶えるために、どんどん予算がふくらんでいきます。
気づけば基本料金の倍になっていた、なんてよくある話。
ある程度クオリティの高いシンプルな結婚式の場合二人だけで行っても100万円以上。
ゲストを10人程度招待しただけでも、200万円以上は覚悟しておいた方が賢明です。
もちろん、挙式費用に加えて現地までの旅費も必要となります。
持っていなければ、もちろんパスポートを取得する費用も必要ですね。
関連リンク:外務省パスポート(旅券)の取り扱いについて
忘れちゃいけない。海外リゾ婚の場合はご祝儀がない

国内での結婚式に比べて、海外リゾ婚にかかる最終的な予算が非常に高くなるのは、ご祝儀がないということも大きい。
海外リゾ婚の場合、友人などを招待したとしてもご祝儀はもらわないというのが一般的。
ゲストの旅費を持つかどうかは自分たちの予算次第だが、海外までお祝いに来てもらうのだから、ご祝儀は受け取らないというのが普通。
国内の結婚式であれば、結婚式にかかった費用の1/3~1/2程度は、ご祝儀を支払いに充てることで負担を減らすことができますが、海外リゾ婚の場合、費用は全部自分たちもちになります。
もしも、予算を抑えて持ち出しを少なくしたいなら、国内婚の方がおすすめです。
国内でもまるで海外を思わせるような、素敵な会場もたくさんあります。
パスポートも不要だし、日本語も通じます(^_^;)
関連リンク:有吉さん&夏目さんが選んだ、広島県尾道のリゾートウェディング
海外リゾ婚は特に『大人婚』カップルにおすすめ

30代後半~40代で、結婚式をあげるかを悩んでいるカップルはたくさんいます。
年齢的に普通の結婚式という形を開催するのは抵抗があるけど、やっぱり結婚式は挙げておきたい。
そんな悩みをもってサロンに相談に行くことが多いと思います。
海外リゾ婚は、基本的に二人きり~少人数での挙式を行うことがほとんどなので、『結婚式は挙げたいけれど、人に見られるのが恥ずかしい』と考えている大人なカップルにはピッタリの結婚式なんです。
「旅の恥はかき捨て」ではないですが、二人きりや参列者が家族・親しい友人だけなら、だれに遠慮するでもなく、理想の結婚式を挙げることができます。
会社などに結婚の報告をする際にも「結婚式は海外で挙げます」と言えば、結婚式に招待しない言い訳にも使えて助かるという意見もあります。
そして何より、若いカップルより予算的に余裕がある大人カップルの方が、お金を気にして我慢することなく、思い通りの結婚式にできるということがなにより大きい。
国内の結婚式もそうですが、理想の挙式を叶えるためには、たくさんのオプションににに追加料金を支払わなければなりません。
この予算を準備できずに、海外リゾ婚をあきらめる若いカップルは非常に多い。
その点、大人カップルはある程度の貯えもあるので、希望の挙式をかなえやすい利点があります。
海外リゾートウェディングまでの流れ

では、ここからは海外ウェディングを行うまでの一般的な流れを紹介していきます。
予算を決めよう

「海外で結婚式を挙げるぞ」と、いきなり結婚式場のカウンターに行っても構わないのですが、できれば最初に結婚式に出せる金額について二人で話し合っておきましょう。
「お金のことについては話しにくい」と、思われる方も多いと思いますが、これから二人で生活を共にしていく中でお金の話を無視することはできません。
前の段落でも書いたように、海外挙式は国内の結婚式よりもお金がかかります。
まずはふたりの結婚式のイメージと、そこに出せる金額をお互いに理解しておくことが大切です。
マイナビウェディングの調査によると、海外リゾ婚にかかった費用は、
- 二人きりの挙式の場合:119~255万円
- ゲスト約10名の場合:161~409万円
となっています。
ネットの広告や、パンフレットの価格は、興味を持ってもらうために最低限の内容に絞って価格を安く設定しています。
旅費も含めて100万円以内に収めたいと考えているなら、海外での挙式はあきらめたほうが無難です。
挙式を行うことが不可能ではないが、いろいろなものを我慢する必要が出てきてしまいます。
結婚式のサロンに行こう

海外リゾ婚を行うためには、海外挙式の手配会社やプロデュース会社にお願いするのが一般的です。
すぐに思い浮かぶのは「ゼクシィ」ですが、ゼクシィそのものが手配をしているのではなく、あくまで旅行会社の紹介が中心です。
カウンターでは素敵な言葉で海外挙式のいいとこをアピールしてきて、たくさんの旅行手配会社の相談予約を入れてくれます。
ゼクシィは紹介することがお仕事のため、基本的にネガティブなことは言いません。
自分たちで調べる必要もなく、たくさんの情報を得ることはできますが、その場合紹介された旅行会社からはゼクシィに紹介料が支払われています。
このお金は、もちろん契約する二人の結婚式の代金に上乗せされます(見積り上に書かれることはありませんが、どこかには含まれるはずです)
少し手間ですが、自分たちで調べることでお得な手配会社を見つけることもできるかもしれません。
*このコロナ禍で海外挙式をプロデュースする会社は疲弊しています。予約をした会社が倒産してしまっては大変です。
とくに海外ウェディングをお願いする会社を選ぶ際は、資本力があり安心してお願いできる大手を選ぶ方が安心です。
代表的な海外ウェディング対応旅行会社
国・時期を決めよう
海外挙式をあげる国や地域を決めましょう。
人気が高いのはやはり「ハワイ」海外リゾ婚では断トツの人気です。
ハワイの他にもグアムやサイパン、モルディブなどの南国地域のほか、イタリア・フランス・ドイツと言ったヨーロッパ圏も人気です。
国によっては、結婚式には向かない季節(雨期など)もあるので、プランナーとよく話し合って決めていきましょう。
万が一の雨天時などは、どのような対応をしてもらえるかもきちんと確認しておくことが大切です。
海外リゾ婚プランナーに聞いた、おすすめの国トップ3
今回の記事作成にあたり、元海外ウェディングプランナーの方にアンケートを行い『おすすめの国トップ3』を尋ねてきました!
なんてったって『ハワイ』
リゾートウェディングと言えば、やはり一番人気は『ハワイ』
結婚式場も豊富で、好みの会場を選ぶことも可能。
日本人の利用も多いので、ウェディングの質も高く、対応が慣れている点も安心。英語が喋れなくてもほとんど困りません。
日本のプロデュース会社の直営店も現地に多数あるので、打ち合わせもスムーズです。
青い海に囲まれる『モルディブ』
数千の島々からなる海洋国家で、「夢のような美しさを天から授けられた国」とも呼ばれる。
気候も穏やかで、まさに南国のパラダイス。
ハネムーンをメインで考えるなら最高の選択です。
神々の棲む島『バリ島』
予算を抑えて海外でのリゾートウェディングを行いたい場合の穴場としては、東南アジアでの挙式がおすすめ。
インドネシアのバリ島は、美しいチャペルとビーチ、日本人スタッフ対応の式場もある割に、物価が安いので比較的予算を抑えることが可能です。
ドレスを選ぼう
結婚式で重要なのはやはり『ウェディングドレス』
基本プランに含まれるドレスは正直あまりいいものがそろっているとは限りません。
そのため海外リゾ婚では、日本で選んだレンタルドレスを現地に持ち込んで利用するカップルがほとんど。
しかしこの場合、旅行の荷物が多くなり(ウェディングドレスはかなりかさばります)さらに、持ち込み料も発生する場合が多いので注意が必要です。
鏡ドレスって何?
『鏡ドレス』とは、日本で選んだものと同じデザイン・同じサイズのウェディングドレスが現地に用意されているドレスのことを言います。
これならば、日本で実際に試着して確認したものを使用できるので安心。
わざわざ日本から運ぶ必要もないので、余計な荷物にもならずに済みます。
すべての会場で利用できるわけではないので、契約前にウェディングドレスのレンタルがどうなっているのかよく確認しておきましょう。
ビーチでの撮影をするなら動きやすいデザインに
リゾートウェディングの魅力は、ビーチなど屋外でのそこでしか体験できないシチュエーションでの撮影も大きなポイント。
挙式だけではなく、撮影も考えたドレス選びを行いましょう。
ロングトレーンはヨーロッパの教会では非常に美しく映えますが、それを着てハワイのビーチを走り回ることはできません。
ウェディングを行う国と会場にあったドレスを選ぶようにしましょう。
式の詳細を決めよう
最後は式の詳細を決めていきます。
- 結婚式だけなのか、パーティ(披露宴)まで行うのか?
- ゲストの人数はどうするか?
などを決めていきます。
ゲストの人数は最終的な予算に大きくかかわっていくことなので、早めに決めておきましょう。
招待されるゲストとしても、海外旅行となると準備するものも多くなります。
参加できるかは招待状を送る前に話しておくほうがお互いに安心です。
ゲストの旅費はだれが払う?
海外リゾートウェディングとなると、問題になるのが現地までの旅行代金。
これを誰が支払うのかは、カップルによって様々です。
旅費は各自負担
最も多いのがこのパターン。
現地までの旅費は、参加する各自で支払う。
ホテルなどのは手配会社が用意してくれるので、参加するゲストがそれぞれに現地入りしてその中で結婚式に参加するというもの。
旅費は各自負担でも、会場の移動用の足(リムジン・ワゴンなど)を用意する必要はあります。
旅費も主催者負担
これは、旅費も負担してゲストを海外まで招待するというもの。
中には予算2000万円で、ハワイの1島1リゾート貸し切りのウェディング。ゲストの旅費も全負担なんていう、夢のようなウェディングを希望されたカップルもいたとか……どこの石油王でしょうね?
そこまで行かなくとも、これまでの恩返しとして旅費を負担して両親を招待するということは、けっこう行われています。
友人の分まで負担するというのは、なかなか難しいので、負担するにしても、片道分や何万円分など一定金額までとすることが多い。
どちらの場合も、遠路はるばるお祝いに参加してくれるのですから、ご祝儀は辞退するのが一般的です。
海外ウェディングでこだわりたいポイント
オプションを追加すればするほどに、費用がかさんでいく結婚式ですが、ここだけはお金を出してでもこだわっておいた方がいいというポイントが3つあります。
ポイント1:ウェディングドレス
多くの場合、海外の会場で用意されているウェディングドレスは、正直あまりいいものがないというのがプランナーの中でも常識です。
中にはイメージ写真だけで選んで、あとは当日一発合わせ。なんてことも、、、
納得できるこだわりのドレスは、やはり日本国内で試着してサイズ直しを行い、現地までもって行くのがおすすめです。
ドレスはかなりかさばるので、荷物として持っていくのは結構大変。
そんな場合は、現地に同じデザイン・サイズのドレスが用意されている『鏡ドレス』を利用するのも方法です。
レンタルではなく購入するのもあり!
どうせ1度しか着ないのだから、ウェディングドレスはレンタルがいい。そう思っていませんか?
実は購入してしまった方が逆に安く済む場合もあるんです。
レンタルのドレスは、何度も使用することを前提としているので、強度的にもかなり強い生地を使って作られます。
もちろんそういった生地は値段も高く、ドレスそのものの値段も高くなります。レンタルのたびに直しやクリーニングにかかる費用も上乗せされるため、レンタルとはいえ決して安くないということは、なんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか。
では、ドレスを購入する場合はどうかと言うと、それほど耐久性に気を付けて作る必要もないので、実際のところレンタルとほとんど変わらないか、むしろ安くなる場合すらあります。
特に、海外ウェディングは二人だけで行い、国内で1.5次会的なお披露目パーティを行う場合、レンタルドレスの場合2回レンタルしなくてはいけませんが、購入ドレスなら何回着ても料金は変わりません。
挙式会場と提携のドレスショップ以外から、ドレス持ち込みをおこなう場合、会場への持ち込み料金が発生することがほとんど。持ち込み料金については、あらかじめよく確認しておきましょう。
どっちがお得?ウェディングドレスの『レンタルと購入』おすすめショップ紹介
ポイント2:料理
ゲストを読んでのパテーティも行うのなら、料理はアップグレードして豪華なものを用意しましょう。
料理の印象で式全体のイメージも大きく変わってきます。
残念なショボい料理の場合は、挙式全体がショボいイメージになってしまいます。
ゲストが納得できるレベルの料理が出るのかどうかは、よく確認しておきましょう
ポイント3:写真
意外なところとして、お金をかけておきたいポイントは写真、フォトグラファーの人選です。
海外リゾ婚に採用されるフォトグラファーの中には『残念』な腕の人も含まれています。
基本プランのまま会場に人選をお任せした場合、ハズレにあたるとせっかくの思い出が『残念写真』だらけになってしまいます。
これを避けるためにも、写真のサンプルを見せてもらって、追加料金をはらってでも納得のいくフォトグラファーを選任することが重要です。
大切な思い出となる写真、最高の一瞬一瞬を写しとれるそんなフォトグラファーを選びたいですね。
まとめ
なかなか知ることの難しい、海外リゾートウェディングのホントのトコロをまとめました。
- 海外リゾートウェディングはお金がかかる。ご祝儀がもらえないため全額実費で用意しなくてはいけない。
- オプションを追加しないと、基本プランだけでの開催はかなり難しい。
- 元海外リゾートウェディングプランナーに聞いた、おすすめの国トップ3は『ハワイ』『モルディブ』『バリ』
- 海外ウェディングのこだわりポイントは『ドレス』『料理』『フォトグラファー』
海外ウェディングは、旅費も含めると100万以下に収めるのはむずかしい。
日本国内でも、海外に負けない素敵なリゾートウェディング会場は各地にあります。
海外にこだわらず、国内での挙式も検討してみてはいかがでしょうか。
実は筆者たちも、始めはハワイでのリゾートウェディングを計画していたのですが、予算的に断念。
代わりに那須高原で国内リゾ婚を挙げたという経験があります。
それでも「どうしても海外でウェディングドレスが着たい!」というのであれば、近年は挙式は行わず写真撮影だけを行う海外リゾートフォト婚プランもあります。
こちらなら大幅に『コスト削減』が可能。
海外にこだわりのあるカップルは検討してみてはいかがでしょうか。
国内で結婚式は挙げたというカップルでも、ハネムーン中にドレスで撮影だけ行うというのもアリですよ。
コロナ禍の海外リゾートウェディング
コロナ禍となり海外での結婚式どころか、旅行に行くことすら難しい状況。
それでも、コロナの回復を信じて、すでに予約を入れているカップルもいらっしゃいます。
今後、世界的にパンデミックが収まってきたら、これまでの反動で一気に海外リゾートウェディング人気が爆発するのではないかとも考えられています。
思い立ってすぐに開催できるわけではありません。まずは情報収集から始めて見ましょう。