結婚式の演出として重要なのが『音楽』
音楽一つで披露宴のイメージががらりと変わってしまうなんてことも……
基本的には自分たちの思い出の曲や、好きなアーティストの曲など自由に選んで構わない。
たまに、欧陽菲菲(オーヤンフィーフィー)のラブイズオーバーをうたったなんていうネットの書き込みもありますが、さすがに非常識極まりないですよ。
中には明るい曲だと思っていたのに、歌詞の意味があまり結婚式に向いていなかった。なんていう曲もあります。
今回はアラフォー世代の結婚式ではどんな曲が人気?
結婚式での音楽利用の注意点を紹介します。
Contents
結婚式では自由に音楽を流せない?結婚式と著作権

現在、結婚式場ではレンタルしてきたCDやダウンロードした音楽を式の中で勝手に流すことはできません。
生演奏であっても、自分たちで作曲した曲でない限り、権利者からの許諾が必要とされます。
「個人利用だから、問題ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、式場で大人数が集まっての挙式は営利目的の『商用利用』とみなされ、決められた許可を得なければ著作侵害として罪に問われてしまいます。
10年くらい前まではそこまででもなかったのですが、最近はアーティストの権利を守る機運の高まりから監視の目が厳しくなっています。
特に多くの人数に対し重要なコンテンツのひとつとして利用される結婚式場はチェックが厳しいようです。
使いたい曲がある場合の事前の確認は必須になってきます。
結婚式場とJASRACの包括契約

いちいちすべての許可を作曲者や歌手、レコード会社に許可を取りに行くのではお互いに大変。
そのため、多くの結婚式場では音楽著作権を管理するJASRACと包括契約というものを結んでいます。
これは、入場やケーキカットなど、式のイベント中に音楽を流すことをまとめて許可をするという契約。
ただし、許可されているのは『原版のCDを流すこと』だけ。
ネット配信の音楽をダウンロードしたものや、レンタルCDの持ち込みなどはNGです。
もちろん違法コピーなどもってのほか!
そのため、結婚式で使いたい音楽がある場合は何とかしてCDを手に入れなければならないのです。
近年は音楽配信が広がり、CDを持っていない場合もあると思います。
定番の曲は会場で用意してくれる場合もありますが、基本的には自分たちで調達してきましょう。
ちなみに、JASRACに支払う権利料は「音響代」などできっちり請求されます。
お安く原版CDを購入する方法
CDを用意すると言っても、今ではレコードショップも少なくなっています。
それに古いCDであれば、楽天やAmazonの中古ショップを利用することでかなり安く入手することも可能です。
注意したいのは『レンタル落ちCD』
Amazonの中古CDなどではレンタルで使用されたCDが出品されている場合も多い。
レンタルのシールが貼られている場合はいくら中古で購入したものであっても再生を断られる場合があります。
ショップに確認して購入するか、メルカリやヤフオクなどで出品者に確認をとって購入するようにしましょう。
JASRACとの包括契約がない場合
一般的な会場であれば普通は包括契約を結んでいますが、中には JASRACとの包括契約がない会場も存在します。
その場合は基本的に個人で楽曲使用の申請を行う必要があります。
詳しくはプランナーに相談するか、JASRACのホームページを参照しましょう。
自作ビデオや式の撮影には別途申請が必要
包括契約で許可されているのは基本的に『原版のCDを流すこと』と『演奏すること』のみ。
プロフィールビデオを作成して式の中で流したり、披露宴の様子を撮影して参加者に配るような場合は別途『 複製権 』の申請が必要になります。
しかも、市販のCDの音源を利用するということは、そのCDを発行しているレコード会社にも申請が必要。
直接のアーティストの有する『著作権』と、その媒体を作成する過程で発生した『著作隣接権』その両方に複製する許可をもらわなければいけないんです。
許可を得る方法としては、新郎新婦が自分たちでJASRACと各レコード会社に個別に申請する方法と、式場を通じてブライダルの著作権と著作隣接権の利用申請の代行を行う団体『isum(アイサム)』に依頼してもらう方法があります。

自分たちで依頼 | isumに依頼 | |
作業 | 個別に依頼をかけなくてはならないので作業が多い | 使用する楽曲の許可を一括で請け負ってくれるので楽 |
料金 | 個別の権利料のみ | 個別の権利料にisumの手数料8%が追加される。 |
デメリット | 自分たちの仕事が増える | isumに登録のないものは使用できない(リクエストは可能) |
友人が作ってくれたプロフィールビデオも、許可なく流すことはできない。
プロフィールムービーのBGMにCDなどの音源を利用する場合も事前に式場のプランナーとの相談が必要です。
たとえクラシックのような著作権の切れている楽曲を使ったとしても、CDを作成したレコード会社の 『著作隣接権』 に抵触してしまうので、申請は必要になります。
友人が好意で作ってくれたものであっても、使用している音源によっては式場での上映を断られる場合もあります。
その場合も式に使用する楽曲と一緒に式場からまとめてisumに依頼することもできるので、打ち合わせの時点でプランナーに確認しておきましょう。
複製権の許可を得ないで曲を流す方法
裏技的な方法ですが、できなくはありません。
プロフィールムービーは『無音』で流してもらって、タイミングに合わせてCDから音楽を流すという方法です。
これなら『複製』はしていないので、JASRACとの 包括契約 内で楽曲を使用することができます。
しかし、この方法は式場側が許可してくれない可能性も高いです。
短い映像に合わせて次々にタイミングよくCDを入れ替えて曲を流すのは、失敗するリスクが高い。
イレギュラーが起こる要素はできるだけ取り除くのが一般的なため、受け入れてくれる式場はすくないかもしれません。
プロフィール動画を使用する場合はしっかりとした打ち合わせが肝心です。
プロフィール動画はどこに依頼する?
プロフィール動画を式場に依頼すると、権利関係まで一括で処理してくれます。しかしその分料金は高くつきます。
式場に頼んだ場合30,000~100,000円くらいは見ておくほうがいいでしょう。
安く済ますのであれば、外部の映像クリエイターに依頼することで予算を削減することが可能です。
ブライダル専門のムービー作成会社もあります。
さらに低価格に抑える場合、個人に直接仕事を依頼できる『ココナラ』を利用してお願いすることもできます。
ただし、クオリティは依頼するクリエイターによって違いがあります。評価や口コミをよく調べて依頼を出すようにしましょう。
『ココナラ』では、プロフィールムービーのほか、ウェルカムボードや招待券のデザインなど、各種アイテムの作成を依頼することも可能です。

ムービー専門業者の場合、楽曲の使用についてもフリー素材を使用したり、権利の許可のいらない音源を持っている業者も多くあります。
式場に持ち込みができるか、上映の方法などはしっかり打合せしておきましょう。
楽曲の選び方

お待たせしました。
難しい話が続きましたが、ここからは曲の選び方です。
最初に書いたように基本的には思い出の曲、好きなアーティストの曲など、自由に選んで構いません。
とはいっても、選んだ曲が結婚式に向いているのか、判断できないことも多いと思います。
そんな時は下に紹介するこれらのサイトが便利です。
ウェディングに向く曲を広く網羅したサイトです。
年代別人気ランキング、シチュエーション別楽曲など、様々な視点から曲を探すことができます。
WeddingSong.com

wiiiiim

また、最近では動画サイトでおすすめの曲がまとめて紹介されています。
YouTubeなどで『ウェディングソング』と検索すれば、実際に曲を聴きながら選ぶことも可能ですよ。
自分たちのイメージに合った素敵な曲を選ぼう

.アラフォーの結婚式で人気の曲という題名で記事を書きましたが、使用する曲のランキングは年代ごとで比べてもそれほどおおきな違いはありませんでした。
多少古くても、人気の定番曲は若いカップルにも人気はあるし、アラフォーカップルであったとしても、最近の曲を使うこともある。
最終的には、自分たちの作り上げたいイメージに合った曲を選ぶことが何より重要になるということです。
結婚式での利用が少ない曲では権利関係の許可に時間がかかる場合があります。特に洋楽の場合はisumの登録が少ないので注意が必要です。
いざという時のため、できればいくつかの候補を複数用意しておく方が安心ですよ。
結婚式の打ち合わせの中でも意外とトラブルが多い『音楽関連』
プランナーとしっかり意見を交換して納得のできる形でプログラムを作り上げていきましょう。