結婚が決まったら最初にすること。
それは『結納』
両家が顔を合わせて正式に婚姻の合意を確認する儀式として、日本では平安時代から行われている婚約の儀式。
最近は時代の変化とともに、正式な形で結納を行うカップルは少なくなってきていますが、簡略化した形での『結納』、または『顔合わせ会』という形での開催は広く行われています。
とはいえ、すでに自立して生活しているアラフォーの結婚。
二人が納得していれば『結納』はやらなくてもいいんじゃない?
そういう考えも確かにあります。
でも、『結納』はどんな形でも行った方がいいんです。
Contents
アラフォーの結納する?しない?
全国の結婚式を挙げた25歳~49歳の男女に対しての調査では、約40%が結納をおこなっています。
しかしこれは『過去に結婚した』男女に対しての調査で、今から結婚する男女へのアンケートではありません。
そのため、年代別にみるとちょっと前に結婚式を挙げた【40代以上】では半数以上の51%が結納をおこなっています。
逆に、【20~30代】では40%を割り込む結果になっており、現代の傾向として『結納』という昔ながらの形では行わないことが増えてきているようです。
35歳以上、アラフォーの結納事情

結納は、結婚する当人たちというよりも、家同士のつながりを確認する場です。
大事に育ててきた娘を嫁に出す家に、支度金として新郎の家が『結納金』をわたし、花嫁側は『結納返し』を行う。
嫁入りには何かと物入りとなるため、その準備金としての意味合いがあります。
ならば、すでに収入も十分にある一人前に生活している大人であれば、結納は行わなくていいか?と言うとそれもまた違ってきます。
いくつになっても親は親。お互いの家族とは今後も親交が続いていきます。
最初から、「きちんとした結納も行わない世間知らず」というイメージを持たれてしまう事は、今後の家族づきあいにおいて何もいいことはありません。
結納とは当人同士というよりも、お互いの家をつなげるための行事であると考えられます。
まずは当人同士でどのような結納を行うか話し合う
結納を行うかどうか、まずは当人同士でしっかりと話し合いましょう。
そのうえでそれぞれの家族に自分たちの希望を伝え、どうするのがよいか話し合います。
家によっては当人たちに任せるということもあれば、伝統的に式を行うべきだという親もいるでしょう。
「正式結納」と「略式結納」の違い

きちんとした『正式結納』を行うとなると、仲人が両家を行き来して結納の品、受書のやり取りを行い、両家が会うことなく結納が執り行われます。
地域によって若干の相違はありますが、大まかな流れはこのような形です。
しかし、近年はわざわざ仲人たてて両家を取り持ってもらう「正式な結納」ではなく、結納の品を渡しあう「略式の結納」が主流になっています。
略式の結納では、両家の家族がホテルや料亭、もしくはどちらかの家に集まり、結納の品の受け渡しを行います。
結納の品として結婚指輪や結納金を男性(婿入りの場合は女性)が用意し、相手側は結納金のおよそ半分程度の時計やスーツなどを結納返しの品として贈ります。
この『略式結納』はホテルや結婚式場でセットプランなどが用意されているので、それを利用するのがいいでしょう。
かく言う筆者も、ホテルでの「略式結納」を行ったうちの一組。
仲人はたてず、両家の家族と兄弟でホテルの部屋を借りて開催しました。
婚約指輪と、形式上の結納金の受け渡しを行い、そのお金はそのまま結婚式の経費として利用させていただきました。
相手からの結納返しの品はブランド物の高級時計をいただき今も大切に使っています。
結納返しの品にはとくに決まりはなく、スーツや現金のほか、長く使えるもの(万年筆など)を用意することもあるようです。
結納という形ではなく顔合わせ食事会を行うカップルが増加中

結納の儀式は大きなお金を包むことになりますが、そのお金が実際に相手の家にわたることはなく、多くは挙式費用や新生活の生活費に使われることがほとんどです。
結納は両家の交流と、結納金くらいの金額をきちんと用意できる、金銭面的にも信頼のおける人物であることを確認する目的が強い儀式的なものです。
そのため、近年では結納そのものをとりおこなわず、両家の顔合わせとしての食事会を行うというカップルが半数以上となっています。
とくに、大きなお金を用意するのが難しい若年層にその傾向は顕著で、割合は年々増加しています。
顔合わせは、結納のような決まりはなく、単に会食を行うだけの場合から、婚約指輪と返礼の品を渡しあうだけなど、内容は自由です。
顔合わせの機会すら持たずに結婚式に臨むカップルも中にはいますが、大人同士の結婚であっても、結婚は当人たちだけで完結するものではありません。
顔合わせとしての食事会は、結婚式の前に必ず行っておくことをおすすめめします。
アラフォーの結婚でも結納を行う意味

結納が形式的なもので行われることも少なくはなっていますが、相手の家族が結納を希望するのであれば、結納はきちんと行ったほうがいいと考えます。
所帯を持とうというのに、30代後半にもなって結納金程度の金額も用意できないようでは、相手の親の立場になったらこれからの娘の生活が不安です。
ここは一人前の大人として、無理のない範囲で結納を企画していきましょう。
結納式の内容、金銭面などは事前によく話し合い、両家が納得することが重要。
ご両親にも安心して二人の結婚を見守ってもらえるように進めていきましょう。
結納の日取り

結納は、結婚式の6ヵ月前~12ヵ月前の吉日に行うのが一般的です。
本来なら『結納』を済ませてから結婚式の相談などを始めるのが基本ですが、最近は先に挙式の日程を決めてから、逆算して結納の日程を決めることが多くなっています。
日本では古くから『六曜』と呼ばれる吉凶を占う指標が存在します。
大安や仏滅くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
以下に六曜の種類と意味をまとめました。
- 大安(たいあん)…「大いに安し」の意味を持ち。六輝の中では最も良い日とされ、結納や婚礼には最適です。
- 友引(ともびき)…「凶事に友を引く」という意味を持つが、祝い事は「幸福のおすそ分け」となり吉とされます。
- 先勝(せんしょう・さきがち)…「先ずれば勝つ」を意味します。そのため午前中は吉ですが、午後2~6時は凶となるので注意が必要。
- 先負(せんぶ・せんまけ)…「先んずれば負け」を意味し、先勝の逆。婚礼関係の場合、午後からが吉となります。
- 赤口(しゃっこう・しゃっく)…祝い事などは慎む方がよいとされます。
- 仏滅(ぶつめつ)…大安の反対で、物事を慎む日。一般的には避ける傾向にあります。
結婚式や結納では、大安が好まれますが、どうしても土曜・日曜の大安に希望が集中するため価格設定が高くなる傾向にあります。
こだわりがないなら、あえて仏滅を選ぶことで、価格的にもお得に予約を行うことができる場合もあります。
「仏滅ならこれからはよくなるだけ!」というポジティブな考えで仏滅を選ぶカップルもいるようです。
結納の場所

交通の便が良く、格式ある部屋の用意できるホテルが多く利用されます。
ホテルによっては『結納プラン』のように、必要な用品をセットで用意してくれているホテルも多い。
場所に決まりはありませんが、面倒な手間がかからないのでこういったプランは非常にありがたいですね。
結納にかかる料金
ホテルやレストランで両家が顔を合わせて行う『略式結納』で、一般的な費用は5~15万円程度といわれています。
これには会場代、結納の品、食事代などが含まれます。
結納の品は、地域によって違うため開催する地域の形に合わせて用意しましょう。
このほかに、
- 結納金として50~150万円(全国平均は94万9000円)
- 婚約指輪 30~100万円以上
- 結納返しの品 20万円~(結納金の半額程度)
などがかかります。
金額や内容は両家の相談で決めるのが一般的です。
結納にかかる費用は、従来は新婦側が負担し半額を新郎側がお返しするという形だったようですが、最近は半分ずつ負担することが多いようです。
ただ明確な決まりはないので、費用についてもよく相談してきていただければ問題ありません。
家族に安心を、両家の納得できる結納式にしよう

開催も減ってきている『結納』ですが、日本古来の伝統的な婚姻儀式、大切にしていきたいものです。
結納は地域によって開催方法や常識が異なる場合があるので、それぞれの地域の式場やホテルで内容をよく確認するのがおすすめです。
結納金の表書き一つにしても、
- 関東では「御帯料」(おんおびりょう)
- 関西では「小袖料」(こそでりょう)
- 九州や四国では「結納料」(ゆいのうりょう)
と、地域ごとに異なります。
服装は明確な規定はないので、略式の礼装(男性ではブラックスーツ、女性ではワンピースやツーピースなど)で構いません。
せっかくの日本の伝統的な儀式を行うのだからと和装を選んだ場合は、30代後半を過ぎている場合、未婚であっても振袖は避けるのが無難です。
結婚式では洋装しか着ないのであれば、結納で和装の写真を撮っておくのもいいかもしれません。
結納も結婚式ほどではないにしても、両家への根回しや準備など時間とお金がかかります。
しかし、ひとつずつ儀式をこなしていくことで結婚へ近づいていくという実感も感じられます。
思い出に残るような、素敵な結納式になることをお祈りしております。

結納の衣装はレンタルがおすすめ。
レンタルドレス【おしゃれコンシャス】では、年代別に人気のドレスを検索できる。
コーディネートアイテムを含めてまとめてレンタルできるので、様々なシチュエーションで利用できます。